「不便なことには価値がある」と聞くと、不思議に思うかもしれません。
でも、今の暮らしが便利すぎるからこそ、ちょっとした不便さが心に残ったり、嬉しい体験につながったりすることがあります。
この記事では、不便益の考え方をもとに、事例を豊富に紹介しています。
毎日の暮らしに役立つ視点や、少しの手間で得られる満足感などを、不便益事例一覧としてまとめました。
身近なところから見えてくる“ほんとうの豊かさ”を、いっしょに探っていきましょう。
この記事でわかること
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不便益の意味と考え方
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不便益の具体的な事例を知れる
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不便から得られる価値や気づきを
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日常生活で活かせる工夫のヒント
不便益の事例を一覧から学んだ生活のヒント

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「不便はイヤなもの」と思い込んでいませんか?
実は、ほんの少しの手間や不自由さの中には、心がほっとする時間や、自分を見つめ直すチャンスが隠れています。
ここでは、不便益の事例を一覧で紹介しながら、私たちの生活に役立つ小さなヒントをお伝えします。
記事の内容
- 不便益の例:多様な場面で見かける事例
- 簡単な事例:日常で気づける不便の価値
- 不便でよかったこともある:過去から学ぶ気づき
- 中学生が身近な不便益の発想に気づくことも
- 身の回りで気づかない豊かさに不便益がたくさん
- 不便だからこそ得られる「良さ」
不便益の例:多様な場面で見かける事例
不便益の例は、実は身近なところにたくさんあります。
この考え方は、「ちょっと手間がかかるからこそ、結果的に良いことがある」というものです。
不便だからこそ得られる利益「不便益」。それを体現するロボットが増えています。よたよた近づいくゴミ箱ロボや断片的な言葉を話すおしゃべりロボ。「不便益」は未来のヒントでもあるようです。
10日付特集「愛すべき『不便』」より。#nikkeithestyle#不便益#ゴミ箱ロボット#ポケボーキューブ pic.twitter.com/eWV7VdcJUd— NIKKEI The STYLE (@NIKKEITheSTYLE) March 10, 2024
例えば、自動販売機でジュースを買うのは便利ですが、あえて少し遠くのコンビニまで歩いて行くとしましょう。
その途中で、きれいな花を見つけたり、偶然誰かと会って会話が生まれたりします。
このような「ちょっと不便だけど、良かったな」と思える体験が、不便益です。
他にも、料理を電子レンジで一発で作るのではなく、フライパンを使って一から作ってみることもそうです。
時間はかかりますが、料理の腕も上がり、完成したときの満足感が全然違います。
また、観光の例でいえば、全部スケジュール通りに観光地を回るよりも、あえて予定を決めすぎずに動くことで、思いがけない出会いや景色に出会うことがあります。
このように、不便益の例は生活のあらゆる場面に存在しています。
つまり、便利すぎる生活だけでは気づけない楽しさや価値が、不便さの中には隠れているということなのです。
簡単な事例:日常で気づける不便の価値
日常の中でも、簡単に見つけられる不便益の例があります。
例えば、階段です。
エレベーターの方が早くて楽ですが、階段を使うことでちょっとした運動になります。
これを毎日続けていれば、体力がついて健康にも良いですよね。
他には、シャープペンシルではなく鉛筆を使って勉強することも当てはまります。
鉛筆はこまめに削らないと使えないし、書くのも少し力がいります。
でも、書いた分だけ鉛筆が短くなっていくのを見て「こんなに勉強したんだ」と達成感を感じられます。
このように、ちょっと面倒に思えることの中に、やりがいや気づきがあるんです。
また、紙の地図を使うことも一つの例です。
スマホのナビは便利ですが、紙の地図を見ながら歩くと、自分で道を覚えようとするので記憶に残りやすくなります。
ちょっと不便だけど、経験としては深く残るのです。
不便でよかったこともある:過去から学ぶ気づき

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過去を振り返ると、「あのときは不便だったけど、今考えると良かったな」と思えることがたくさんあります。
例えば、年賀状のやり取りです。
今はスマホで簡単にメッセージを送れますが、昔は手書きで年賀状を書くのが当たり前でした。
一枚一枚、相手のことを思いながら文字を書いたり、デザインを選んだりする時間には、あたたかさがありました。
また、テレビのチャンネルを手で回していた時代もそうです。
今のようにボタン一つで操作できませんでしたが、その分「この番組をちゃんと見よう」という気持ちが強く、内容もしっかり覚えていたという人もいます。
さらに、炊飯器ではなく鍋でごはんを炊いていた家庭もあります。
火加減や時間を調整するのは手間ですが、その分ごはんがとても美味しく感じられたそうです。
このように、昔の少し不便なやり方には、今では味わいにくい経験や気づきが詰まっているのです。
便利になることは素晴らしいことですが、何もかも効率よく済ませるだけでは、失われてしまう価値もあると感じます。
中学生が身近な不便益の発想に気づくことも
不便益の考え方は、大人だけのものではありません。
中学生の発想の中にも、立派な不便益の例が見られます。
例えば、ある中学生は「冷凍餃子を買わずに、自分で餃子を一から作ってみた」と話していました。
手間も時間もかかりますが、その結果「料理って楽しい」と思えるようになったそうです。
他にも、筆で年賀状を書くようにしたら、字が上手になっていたという声もあります。
メールやLINEで簡単に済ませるのではなく、時間をかけて丁寧に書くことで、伝える気持ちも変わります。
こうした工夫は、決して「昔っぽい」とか「面倒くさい」だけでは片づけられない価値があります。
むしろ、今の便利な時代だからこそ、手間をかけることの意味が際立つのです。
中学生のように素直な視点で「やってみたら楽しかった」という発見があると、不便にも前向きになれるかもしれません。
身の回りで気づかない豊かさに不便益がたくさん

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あなたの身の回りにも、不便益はたくさんあります。
例えば、歩いて買い物に行くときのことを思い出してみてください。
車で行けば早いのに、あえて歩くと道ばたの花が咲いているのに気づいたり、近所の人と立ち話をしたり、何気ない発見があるのです。
また、八百屋さんで野菜を買ったら「おまけにみかん入れておくね」と言われることもあります。
スーパーやネットで買えば早くて楽ですが、こうした人との温かいやりとりは、ちょっとした不便を受け入れたからこそ得られるのです。
他にも、コンビニに毎朝行って新聞を買う人がいます。
定期購読よりも手間はかかりますが、お金の使い方にメリハリが出たり、店員さんとの会話が生まれたりします。
こう考えると、不便なことがきっかけで、暮らしの中に「人とのつながり」や「小さな楽しみ」が増えていくのです。
便利さだけでは得られない、豊かな気持ちや人間らしさが、不便益の中にはたしかにあります。
不便だからこそ得られる「良さ」
不便なことには、思っている以上にたくさんの「良さ」が隠れています。
この良さとは、簡単に言えば「手間をかけるからこそ得られる満足感」や「気づき」のことです。
例えば、紙の辞書で言葉を調べると、目的の単語だけじゃなくて、その周りにある知らない言葉にも目がいきます。
スマホの検索だと一発で出ますが、他の言葉との出会いはありません。
つまり、ちょっと回り道をすることで、思わぬ発見や記憶に残る経験が生まれるのです。
もう一つの例は、「音叉」を使った楽器のチューニングです。
チューナーを使えば一瞬で音が合いますが、音叉を使うと耳を鍛えたり、自分の感覚を信じる力がつきます。
こうした不便さは、ある意味で「自分を育てる時間」でもあるのです。
手間をかけるという行動そのものに意味がある。
だからこそ、不便だからこそ得られる良さは、便利さだけでは味わえない深さを持っているのです。
不便益な事例の一覧で予想できる新しい価値観

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便利さばかりを追い求めていると、見えなくなるものがあります。
だからこそ、不便益な事例の一覧から読み取れるのは、これからの暮らしに必要な“別の価値観”です。
人と人とのつながり、自分で考える楽しさ、新たな発見――そんな視点を、ここから見つけてみませんか?
記事の内容
- 不便益の具体例:製品・サービスなどでの工夫
- 便利害とはなに?便利さの裏に大きなリスクも
- 知恵袋には様々な実例が!生活の発想を転換しよう
- 不便だから良いことが起こるのは、心の余白の効果
- 良いと思う面は行動心理に基づいていることも
- 不便だけど便利なもの:工夫が生む逆転の発想
- まとめ:不便益事例の一覧から日常の工夫が生まれる
不便益の具体例:製品・サービスなどでの工夫
不便益は、製品やサービスの世界でもしっかり活かされています。
この考えは、ただ便利さだけを追い求めるのではなく、「あえて不便にすることで、ユーザーに新しい気づきや楽しみを与える」というものです。
例えば「素数ものさし」という商品があります。
これは、ふつうの定規のようにすべての目盛りがついているのではなく、素数の位置だけにしか目盛りがない定規です。
ちょっと使いづらそうですが、目盛りを自分で数えたり工夫したりすることで、数字への興味や集中力が高まると言われています。
また、ナビゲーションアプリに関しても「かすれるナビ」というアイデアが紹介されています。
これは、道案内の音声がわざと少しあいまいになっていたり、あえて全部の道を教えてくれなかったりする仕組みです。
すると、使う人は自分で道を考えたり、周りの景色をしっかり見ながら歩くようになります。
このような工夫を通じて、不便を楽しみに変えることができるのです。
つまり、不便益は「使いにくさ」の中にあるちょっとしたスパイスのようなもの。
上手に取り入れることで、商品やサービスがより人間らしく、味のあるものになっていくのです。
便利害とはなに?便利さの裏に大きなリスクも

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便利なものはたくさんありますが、そこには「便利害(べんりがい)」と呼ばれる影の部分もあります。
これは、便利すぎることで逆に失われてしまうものや、悪い影響が出てしまうことを指します。
たとえば、自動ドアやエレベーターばかり使っていると、階段をのぼる体力が落ちていきます。
便利な分、身体を使うチャンスがどんどん減ってしまうのです。
また、SNSやチャットアプリなども便利ではありますが、すぐに連絡が取れることで「すぐ返さなきゃ」とプレッシャーを感じる人もいます。
これがいわゆる「SNS疲れ」につながってしまいます。
さらに、自動で何でも答えてくれるAIや検索ツールに頼りすぎると、自分で考える力が弱まってしまうという声もあります。
「わざわざ調べる」という不便な時間があったからこそ、頭の中に知識が残ったり、納得感があったりしたのです。
便利は確かにラクですが、すべてを任せきりにすると、心や体にとって良くない影響が出ることもあります。
だからこそ、時には「便利すぎることって本当にいいのかな?」と立ち止まって考えることが大切です。
知恵袋には様々な実例が!生活の発想を転換しよう
ネットの「知恵袋」には、思わず「なるほど」と言いたくなる不便益のヒントがたくさんあります。
そこでは、日常のちょっとした不便を工夫でプラスに変えている人たちの声が紹介されています。
たとえば、「エレベーターじゃなくて階段を使うようにしたら、運動になってダイエットにもなった」という投稿がありました。
たしかに、毎日階段を上り下りすれば、自然と体を動かす時間が増えます。
他にも、「電子マネーばかり使っていたけど、現金で支払うとお金の減りが目で見えて、無駄遣いが減った」と話している人もいました。
これは「便利なキャッシュレス」よりも、ちょっと不便だけど「お金のありがたみを実感できる」という例ですね。
知恵袋では他にも、「手書きでメモを取るようにしたら、記憶に残るようになった」といった声もあります。
これは、パソコンでのタイピングではなく、手間のかかる手書きを選んだからこその気づきです。
このように、日常の中で少しの不便をあえて選ぶことで、暮らしが豊かになったり、自分らしさを取り戻したりしている人が多いのです。
知恵袋は、まさに生活のアイデア集。
誰かの不便な経験が、あなたの暮らしのヒントになるかもしれません。
不便だから良いことが起こるのは、心の余白の効果

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不便なことがあると、どうして良いことが起きるのでしょうか?
その理由のひとつに、「心の余白」ができるという効果があります。
心の余白とは、少し立ち止まることで気づけることや、感じられることが増える状態のことです。
例えば、スマホで予定をびっしり埋めると、考える時間や自分と向き合う時間が少なくなります。
でも、あえてスケジュールを空けたり、何かをアナログでやってみたりすると、そこに「間(ま)」が生まれます。
この間こそが、アイデアや感情、気づきを育てるチャンスになるのです。
たとえば、電車を乗り間違えたとき、少し歩いて目的地に向かってみたら、偶然すてきなカフェを見つけた、なんて経験はありませんか?
これがまさに「不便だったけど、結果的に良かった」という心の余白の力です。
不便な状況があるからこそ、余裕が生まれ、そこに新しい価値が入り込む。
これが「不便だから良いことが起こる」理由なのです。
良いと思う面は行動心理に基づいていることも
不便には「いい面」があります。
これは、私たちの行動の仕組みにも関係しています。
人はちょっとだけ手間がかかることに対して、「やりきった感」や「自分でできた喜び」を感じやすいのです。
この心理が、不便なことの中にあるポジティブな面につながります。
例えば、レゴブロックで何かを組み立てるとき。
最初から完成したおもちゃを買うよりも、苦労して組み立てたものの方が「愛着」がわくのではないでしょうか?
これは「自分がかかわった」という気持ちが強くなるからです。
他にも、料理を一から作ると「めんどうだったけど美味しい」と感じるのは、自分の手を動かした結果だからです。
このように、少し手間をかけることで「自分の行動が結果を生んだ」と思えるようになり、そのことが満足感ややる気につながっていきます。
不便さは、実は私たちのやる気や自信を引き出してくれる力を持っているのです。
不便だけど便利なもの:工夫が生む逆転の発想
世の中には、「一見不便だけど、よく考えるととても便利」というものがあります。
これは「不便益」の考え方が生きた、逆転のアイデアとも言えます。
例えば「芯のないトイレットペーパー」は、そのひとつです。
最初は芯がないと取りにくそうですが、芯がない分ゴミも減り、最後まで使い切れるというメリットがあります。
また、「個包装されていない飴」もそうです。
一粒ずつ包装されていないと、手がベタベタになりそうに思えますが、ゴミが減って環境にやさしく、すぐに食べられるという便利さもあります。
こうしたアイデアは、「この不便をどうやって良いものに変えられるか?」という発想から生まれます。
つまり、ただの不便ではなく、工夫と気づきがあることで、「これは逆にいい!」と感じられるようになるのです。
ちょっと視点を変えるだけで、不便なことが魅力になる。
この逆転の発想こそが、不便益の本質とも言えるかもしれません。
まとめ:不便益事例の一覧から日常の工夫が生まれる

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ここまで紹介してきた不便益の事例を振り返ると、ある共通点が見えてきます。
それは、「ちょっとの手間や不便さが、新しい発見や喜びを生み出す」ということです。
階段を使えば運動になる。
手書きの年賀状には気持ちがこもる。
地図を見ながら歩けば、道を覚えやすくなる。
これらはすべて、私たちの身の回りにある「小さな不便」から生まれた工夫の結果です。
このように考えると、不便というのは「不快なもの」ではなく、「工夫のきっかけ」なのかもしれません。
便利なものに囲まれた今だからこそ、あえてちょっと不便な選択をしてみる。
そうすることで、もっと楽しく、もっと心が豊かになる毎日が手に入るかもしれません。
この記事のポイント
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不便な行動によって得られる体験や気づきに価値があるとする考え方
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日常生活の中でも不便益は多く見つけられる
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自販機より遠くのコンビニに歩くことで新しい出会いや発見がある
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電子レンジではなくフライパン調理で達成感や料理スキルが得られる
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階段利用が健康促進につながる不便益の代表例
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鉛筆を使って学習することで学習量の可視化や満足感が得られる
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紙の地図を使うことで道を覚える力や地理感覚が育つ
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手書きの年賀状は相手への思いや温かさが伝わりやすい
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鍋で炊くご飯は手間がかかるが味や達成感が大きい
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中学生による餃子作りや手書き体験にも不便益が見られる
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買い物を徒歩で行うことで地域との交流が生まれる
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紙の辞書使用で関連語に触れる機会が増える
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音叉での調律は耳を鍛え感覚を高める練習になる
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「素数ものさし」など意図的に不便を作る製品で気づきが得られる
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SNSや自動化に頼りすぎることで思考力や身体能力が落ちるリスクもある
参考文献: