STARTO ENTERTAINMENTの福田淳社長が退任するというニュースが、エンタメ業界をざわつかせていますね。
2025年6月末に福田淳社長が任期満了で社長を辞めることが、6月13日に発表されたのです。
そして、後任にはテレビ局の元役員が就任するという話も出ています。
旧ジャニーズ事務所の性加害問題があってからできたSTARTO ENTERTAINMENTです。
その社長がたった1年半ほどで交代するというのは、とても大きな出来事です。
このニュース、一体どういうことなのでしょうか。
なぜこのタイミングで社長が交代するのか、その裏には何があるのか、
そして新しい社長になるとSTARTO ENTERTAINMENTはどう変わっていくのか、一緒に見ていきましょう。
STARTOの福田淳が退任の衝撃:エンタメ界の新たな局面
2025年6月13日、STARTO ENTERTAINMENTの福田淳社長が
6月末の任期満了をもって退任するという、衝撃的なニュースが報じられました 。
旧ジャニーズ事務所の再スタートという、とても大変な役割を担っていた福田淳社長です。
わずか約1年半でその職を辞することになった福田淳社長の退任は、公式発表こそ「任期満了」となっています。
しかし、その短期間での交代には、会社の内部や外部からの強いプレッシャーがあった可能性が示唆されています。
エンターテインメント業界全体がこの人事の動きに注目しています。
STARTO ENTERTAINMENTの今後の方向性、そして日本の芸能界のあり方にも大きな影響を与えることでしょう。
STARTO ENTERTAINMENTとは?その設立背景
STARTO ENTERTAINMENTは、故ジャニー喜多川氏による性加害問題という、
旧ジャニーズ事務所が直面した歴史的な問題を受けてできました。
そのタレントマネジメント業務を引き継ぐ新しい会社として、2023年10月17日に設立されたのです。
旧ジャニーズ事務所は「SMILE-UP.(スマイルアップ)」と名前を変えて、被害者の方への補償に専念することになりました。
そのため、STARTO ENTERTAINMENTは、タレントの活動の場を確保するという重責を担っての発足でした。
新しい会社の名前はファンクラブの皆さんの応募で決まっています。
「STAR(スター)と(未来へ向かう)」という意味が込められています。
福田淳社長が代表取締役CEOに就任したのは2023年12月8日のことでした。
福田淳社長は旧体制とは関係のない外部のプロフェッショナルとして、透明性と独立性を掲げていましたね。
福田淳社長のこれまでの経歴とSTARTOでの功績
ソニー・デジタルエンタテインメント・サービス社長などを歴任した実業家である福田淳氏は、
芸能界とは一線を画すIT・デジタルコンテンツ業界での豊富な経験を持っていました。
このように異業種から社長を迎えたのは、旧ジャニーズ事務所が長年抱えていた
「オーナー企業ならではの古い体質」を変えて、透明性の高い現代的な経営を目指すという
STARTO ENTERTAINMENTの強い意志の表れだったと思います。
社長に就任してから、福田淳社長はたくさんのことを実行しました。
所属タレント全員171人との面談で会社の方針を伝えたり、意見を聞いたりしました。
LINEWORKSを導入してタレントとのコミュニケーションをスムーズにしたり、
ジェンダーや人権、SNS投稿ルールに関する研修も行ったりしました。
これらの取り組みは、過去の性加害問題の再発防止と、タレントが安心して活動できる環境を整備するための大切な土台となりました。
さらに、スポンサーとの関係を元に戻したり、会社の業績を良くしたりすることにも貢献しています。
チケットの転売やタレントへのネットでの誹謗中傷など、権利侵害への対策も強化するなど、
多方面での功績を残した社長だったと言えるでしょう。
福田淳社長が直面した困難と「福田淳は嫌われている?」という声の背景
福田淳社長は、社長になってすぐに社会からの強い逆風に直面しました。
本社オフィスがなかなか借りられなかったり、金融機関から融資が受けられなかったりしました。
「STARTO」の福田淳社長が退任へ 後任はテレビ局関係者で調整 https://t.co/s8129EUpVA
旧ジャニーズ事務所からタレントのマネジメント業務などを引き継いだ「STARTO ENTERTAINMENT」の福田淳社長が6月末に退任することが13日、関係者への取材でわかった。
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) June 13, 2025
新卒採用では親の反対で内定を辞退する人が出たり、社員が住宅ローンの審査に通らなかったりといった問題にも直面したのです。
これは、旧ジャニーズ事務所の性加害問題が、単なる一企業の問題ではなく、
社会全体に根深く影響を及ぼしている「負の遺産」であることを、はっきり示していましたね。
福田淳社長が努力しても、これらの外部からのプレッシャーや不信感を
短期間で完全に解消することは、とても難しかったのだと思います。
ファンの中には、一部で「アイドル事務所の社長に向いてない」「好感度が高くなかった」という厳しい声もあり、
「福田淳は嫌われている?評判は?」という憶測も流れました。
特にスポーツブランド「Reebok Japan」の社長が、SixTONESとの契約が終わったことについて
STARTO ENTERTAINMENTの情報が不透明だと指摘した際には、福田淳社長への批判が集中してしまったのです。
福田淳社長が進めた改革は、旧ジャニーズ事務所の「古い体質」を直して、現代的な会社にするために必要なことでした。
しかし、これらの改革が、長年の慣習になじんだ業界やファンとの間に摩擦を生んだ可能性も指摘されています。
これは、短い期間での退任の一因となった可能性もありますね。
加えて、アメリカでは旧ジャニーズJr.の元メンバーたちが、
SMILE-UP.とSTARTO ENTERTAINMENTを相手に約460億円もの損害賠償を求める訴訟を起こしています。
この国際的な訴訟は、会社の経営に今後も大きな影響を与え続けると心配されています。
STARTO ENTERTAINMENTの主要タイムライン:激動の約1年半
STARTO ENTERTAINMENTができてから、福田淳社長の退任に至るまでの主な出来事を順に見ていきましょう。
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2019年7月9日: ジャニー喜多川氏が亡くなった。
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2023年9月7日: ジャニーズ事務所が会見を開き、藤島ジュリー景子氏が性加害を認めて社長を辞任。東山紀之氏が社長に就任。
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2023年10月: ジャニーズ事務所が「SMILE-UP.」に社名を変更。
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2023年10月17日: STARTO ENTERTAINMENTが設立。
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2023年12月8日: 新しい会社名「STARTO ENTERTAINMENT」が発表。福田淳氏が代表取締役CEOに就任しました。
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2024年3月13日: Reebok Japanの社長が、SixTONESとの契約終了に関してSTARTO ENTERTAINMENTの情報が不透明だと指摘。
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2024年4月: STARTO ENTERTAINMENTが本格的に始動。
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2024年7月: J-pop Legacyが設立されました。
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2024年9月-2025年2月: Netflixで「timelesz project」が配信。
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2025年5月: J-pop Legacyとの協力が本格的に開始。
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2025年6月13日: 福田淳社長の6月末での退任が報道。
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2025年6月末: 福田淳社長の任期満了。後任が株主総会で正式に決まる予定。
福田社長の主な施策と具体的な成果、そして残された課題
福田淳社長は、短い期間ながらSTARTO ENTERTAINMENTの基礎を築くために、いろいろなことを実行しました。
主な施策:
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所属するタレント全員と面談して会社の方針を共有し、意見をヒアリング。
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LINEWORKSを導入して、タレントとの連絡をもっとスムーズに。
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ジェンダーや人権、SNSの投稿ルールに関する研修を実施。
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ジュニアの新規加入を一時的に見送って、研修施設や防犯カメラを設置するなど、子どもたちが安心して過ごせる環境を整備。
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選考や評価のプロセスを透明にするように推進。
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従業員の数を約3割増(209人から263人へ。2025年4月には新卒約20人が入社)。
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マネージャーの仕事をシフト制にし、SNSの投稿チェックや送迎の一部を外部に任せ、長時間労働をなくし、創造的な働き方を推進。
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チケットの転売やネットでの中傷対策を強化。
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取引先と対等な関係を築くように努め、「芸能界特有の悪い商慣習」をなくすことを目指した。
成果・課題:
社内での意見交換が活発になり、経営陣への指摘も出るようになるなど、透明性のある組織に変化。
スポンサーとの関係が元に戻ったり、会社の業績が回復したりすることにも貢献した。
社会からの強い逆風(オフィスが借りられない、お金が借りられない、社員採用が難しいなど)に直面。
一部のファンからは情報が分かりにくい、社長には合わない、という声が。
アメリカでの巨額な賠償請求の訴訟という、とても大きな問題も残されている。
STARTO 福田淳 退任後の未来:後任と業界への影響

画像はイメージです。
STARTO ENTERTAINMENTの福田淳社長が退任したあと、新しい体制がどのように進んでいくのか、
その行方は日本のエンターテインメント業界全体から注目されています。
特に、後任としてテレビ局の元役員が就任する方向であるという報道は、
STARTO ENTERTAINMENTの今後の戦略に大きな変化をもたらす可能性を示唆しています。
後任は「元テレビ局役員」:現時点で判明している情報と人物像
福田淳社長の後任として、テレビ局出身の元役員が内定していると報じられていますが、
現時点ではその人の名前や詳しい経歴は公表されていません。
この情報がまだ明かされていないということは、STARTO ENTERTAINMENTがこの人事について
非常に慎重に情報を管理していることを示しているのかもしれません。
発表のタイミングを測ったり、その人が持つ影響力を最大限に活かしたりするための、意図的なものと考えられます。
一部では、フジテレビの大株主である米投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」が、
フジ・メディアホールディングスの取締役候補に福田淳社長を挙げていたという報道もあります。
福田淳社長の退任とフジHDへのダルトン提案の時期との関連も指摘されていますが、
後任の元テレビ局役員が誰なのかは、まだ推測の域を出ていませんね。
テレビ局出身者の社長就任がSTARTOと芸能界に示唆するもの
今回の後任人事は、STARTO ENTERTAINMENTが、旧ジャニーズ問題で冷え込んでいた
テレビ局との関係を早く修復し、所属タレントのメディア露出を強化したいという強い思いを持っていることを示唆しています。
旧ジャニーズ事務所の性加害問題は、メディアと芸能事務所の関係における「忖度」や「不透明さ」を明らかにしてしまいました。
福田淳社長は「芸能界にいまだ芸能事務所への忖度が残っているなら、それを正したい」と話していましたが、
後任に「元テレビ局役員」を据えるということは、STARTO ENTERTAINMENTがメディアとの関係を「もう一度築く」上で、
これまでの芸能界の力関係に戻る可能性を示唆しているとも考えられます。
テレビ局は、旧ジャニーズ事務所の主要なパートナーでした。
スキャンダルによってその関係性が大きく変化してしまったのです。
特にフジテレビは、スキャンダルにより収益の90%を失ったとも言われています。
そのため、メディア側も関係を修復したいと考えているはずです。
元テレビ局役員が社長になることで、メディア業界の慣習や人脈をよく知っている人が経営の指揮を執ることになります。
これは、タレントが活動できる場所を広げたり、ビジネスチャンスを作ったりする上で有利に働く可能性があるでしょう。
福田淳社長が進めてきた「IT業界の知識」や「エージェント制」といった新しいビジネスモデルの導入から、
より「伝統的な芸能界のメディアとの連携」を重視する戦略に変わることも意味するかもしれません。
メディア出身の社長が就任すれば、タレントのメディア露出は増えるかもしれません。
しかし、同時にメディア側からの影響力や要求が強まる可能性も秘めているのです。
新体制が描くSTARTOの経営戦略と今後の展望
福田淳社長の退任後も、福田淳社長が築き上げた組織改革の基礎は引き継がれていくでしょう。
特に、タレントやジュニアへの研修、コミュニケーションの改善、働きやすい環境作りといった取り組みは、
STARTO ENTERTAINMENTが長く続くエンターテインメント企業として成長していくために欠かせないことです。
ジュニアの新規加入を再開する準備が進められていることは、
次の世代のスターを育て続けるというSTARTO ENTERTAINMENTの強い決意を示しています。
選考や評価のプロセスを透明にすることは、過去の問題を繰り返さないための大切なステップです。
これによって、才能ある若者が安心して芸能活動に打ち込める環境が整うことが期待されています。
新しい体制は、これらの基礎を活かしながら、メディアとの関係をもっと強くして、
タレントの活動範囲を広げていく戦略を描くことでしょう。
J-pop Legacyとの提携など、STARTOの新たな動きと人材育成
2025年5月からは、SUPER EIGHTの大倉忠義氏が率いるJ-pop Legacyとの提携が本格的に始まりました。
これは、ジュニアの才能を伸ばし、発掘し、プロデュースする活動を強化するものです。
STARTO ENTERTAINMENTの運営体制を強くして、デビュー前のタレントが持つ創造性を広げる大きな一歩になるでしょう。
大倉忠義氏は、関ジャニ∞(現在のSUPER EIGHT)のメンバーとして長年活動し、
関西ジャニーズJr.のプロデュースにも関わってきた経験があります。
そのため、現場の視点とタレント育成への深い理解が期待されています。
この提携は、福田淳社長のような外部のビジネスプロフェッショナルによるトップダウンの改革から、
もっと「現場」や「タレント」の視点を取り入れた、協力し合う経営へと変わっていくことを示唆しています。
Netflixでの「timelesz project」の配信(2024年9月〜2025年2月)も、これまでのグループに
新しいメンバーを外部から募集するという珍しい試みでした。
これは、STARTO ENTERTAINMENTが伝統にとらわれず、新しい才能を見つける方法を模索していることを示しています。
これらの動きは、福田淳社長がIT業界出身であること、そして福田淳社長が「最先端技術の方面も動かしていく構想」と
話していたデジタルの側面を、新体制がテレビメディアとの連携と並行して、あるいは補完する形で進めていく可能性を示唆しています。
業界全体への波及効果と今後の注目点
STARTO ENTERTAINMENTの経営陣交代は、日本のエンターテインメント業界全体に影響を与える可能性があります。
特に、元テレビ局役員の社長就任は、メディアと芸能事務所の関係性、そしてタレントの露出戦略に新たな変化をもたらすでしょう。
今後のSTARTO ENTERTAINMENTは、デジタルコンテンツとSNSを活用したファンとの直接的なつながり(福田淳社長が築いた基盤)と、
テレビという強力なリーチを持つ伝統メディアでの露出(新しい社長がもたらす強み)を、
いかにバランス良く融合させるかが、成功の鍵となるでしょう。
福田淳社長が目指した「芸能界特有の悪い商慣習」の是正が、新体制下でどのように継続・発展していくのかも注目されます。
アメリカでの訴訟問題 [20] や、タレントの権利保護、SNSでの誹謗中傷対策など、
福田淳社長が取り組んできた課題への対応も、引き続きSTARTO ENTERTAINMENTの信頼性を測る大切な指標となります。
まとめ:STARTO 福田淳 退任が示す「新たな伝説」への道筋

画像はイメージです。
STARTO ENTERTAINMENTの福田淳社長の退任と、元テレビ局役員の後任就任は、
STARTO ENTERTAINMENTが旧ジャニーズ事務所の負の遺産を乗り越えて、「新たな伝説」を築くための、次なる戦略的転換点を示しています。
福田淳社長は短い期間ながら、組織の透明化、コンプライアンス強化、労働環境改善、
デジタル化推進といった多岐にわたる改革の土台を築きました。
しかし、その道のりは社会からの逆風やファンからの厳しい声、そして国際的な訴訟問題といった困難に満ちていましたね。
福田淳社長の退任は、福田淳社長個人の能力や意図を超えて、旧ジャニーズ問題の根深さ、
そして日本社会における芸能界の特殊性や、過去の慣習がもたらす影響の大きさを浮き彫りにしています。
後任の元テレビ局役員は、メディアとの関係修復とタレントの露出機会拡大という、喫緊の課題に取り組むことが期待されます。
これは、福田淳社長が導入したIT・エージェント型の経営から、よりメディア連携を重視する方向へのシフトを意味するかもしれません。
この人事は、依然としてメディアの力が芸能界において絶大であることを認めた、現実的な戦略と見ることができます。
J-pop Legacyとの提携やNetflixでのオーディション番組など、タレント育成と発掘における新しい試みは、
STARTO ENTERTAINMENTが過去の慣習にとらわれず、変化を恐れない姿勢を示しています。
これは、タレントのエンパワーメントを促進し、タレントがより主体的にキャリアを形成できる環境を作ることを目指すものです。
旧ジャニーズの強みであった「ジュニア育成」のノウハウを現代に合った形で再構築しようとする試みとも言えるでしょう。
STARTO ENTERTAINMENTは、ジャニーズ性加害問題という前代未聞の危機から立ち上がりました。
その経営体制は常に注目を集めています。
新しい体制が、福田淳社長の遺志を継ぎつつ、いかにして「史上最高のエンターテイメント」を創造し、
ファンと社会からの信頼を回復していくのか、その動向から目が離せませんね。
この記事のポイント
参考文献:株式会社STARTO ENTERTAINMENT公式HP 公式YouTube