2025年6月9日、大相撲の世界に、とんでもないニュースが飛び込んできました。
幕内格行司として、35年も土俵を支えてきた木村銀治郎(本名:糸井紀行)さんが、なんと懲戒解雇されたんです。
原因は、力士会のお金を使い込み、競艇につぎ込んでしまったことでした。
日本相撲協会公式サイトが本日更新され、同日懲戒解雇された木村銀治郎の項目が削除されました。(錦太夫と要之助の間が従来の位置)
個人ページもリンク切れになっています。
このような形で行司に退職者が出ることをとても残念に思います。 pic.twitter.com/fEERqFXO2r— 式守文之助(行司好き) (@Sumo_Gyoujiski) June 9, 2025
この前代未聞の事件に、多くの人が衝撃を受けています。
一体なぜ、木村銀治郎さんは、そんなことをしてしまったのでしょうか。
そして、懲戒解雇されたことで、お給料や退職金はどうなってしまうのでしょう。
長年の功績も、ファンに愛された穏やかなイメージも、すべてを失ってしまったこの事件。
その真相に、一緒に迫っていきましょう。
木村銀治郎の競艇を原因とする懲戒解雇、事件の全貌

画像はイメージです。
木村銀治郎さんの競艇へののめり込みと、懲戒解雇という結末。
この問題は、木村銀治郎さん一人の話では終わりません。
相撲界全体の信頼を揺るがす、とても大きな事件なんです。
事件がどうやって発覚したのか、木村銀治郎さんとはどんな人だったのか。
事件の核心を、一つずつ見ていきましょう。
今回の事案の経緯:信頼の裏切りと発覚の瞬間
この事件が明らかになったのは、一本の内部報告がきっかけでした。
力士会の役員から「書記の木村銀治郎さんが、お金を使い込んでいるかもしれない」と日本相撲協会に連絡があったんです。
協会はすぐに、2025年5月10日に木村銀治郎さん本人に話を聞きました。
すると木村銀治郎さんは、「力士会のお金を約2000万円、使い込んでしまいました」と、あっさり事実を認めたのです。
この告白を受け、トップである八角理事長は、すぐに専門チームに詳しい調査を指示しました。
その結果、長年にわたる悪質な犯行の実態が明らかになり、6月2日の臨時理事会で懲戒解雇が決定。
6月9日に本人に通知され、世間に公表されたというわけです。
消えた2519万円:競艇とギャンブルへの転用
調査でわかった着服額は、なんと総額2519万円でした。
これは、本当に驚くべき金額ですよね。
その内訳は、2019年1月から2025年5月までの約6年半もの間、力士たちが社会貢献などのために積み立てていたお金から抜き取った2187万円。
それに加えて、「横綱に頼まれたお祝い金だ」などと嘘をつき、別の担当者をだまして口座から引き出させた332万円です。
木村銀治郎さんは、この大金のすべてを競艇の舟券を買うために使っていたと話しています。
日本相撲協会は、その動機に反省の余地はないと、とても厳しく判断しました。
これだけ長い間、常習的に犯行を繰り返していた背景には、深刻なギャンブル依存があったのかもしれません。
35年の功績を抹消する「懲戒解雇」という重い処分について
「懲戒解雇」という言葉、聞いたことはありますか?
これは、会社などが従業員に下せる処罰の中で、いちばん重いものなんです。
つまり、日本相撲協会は、木村銀治郎さんの行為を、単なるミスや過ちではないと考えているということです。
35年間という長い間、真面目に勤め上げてきた功績。
そのすべてを帳消しにしてしまうほどの、重大な裏切り行為だと判断されたわけです。
専門チームは、木村銀治郎さんの行為が、業務上横領や詐欺といった犯罪にあたる可能性も指摘しました。
その報告を受け、理事会も満場一致で、即時の解雇という厳しい処分を決めたのです。
木村銀治郎の画像とプロフィール:行司としての活躍振り
木村銀治郎さんは、知的でとても穏やかそうな表情の行司です。
このような事案を起こす人にはとても思えないのですが…。
<九日目の様子>
行司フォト木村 銀治郎
木村 要之助
式守 鬼一郎
木村 朝之助#相撲 #行司 #九月場所 pic.twitter.com/aPAfHEDZXJ— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) September 18, 2023
ここで、木村銀治郎さんのプロフィールをまとめてみましょう。
項目 |
内容 |
---|---|
行司名 |
三代 木村銀治郎 |
本名 |
糸井 紀行(いとい のりゆき) |
生年月日 |
1974年12月30日 (解雇時50歳) |
出身地 |
東京都墨田区 |
所属部屋 |
芝田山部屋 |
初土俵 |
1990年3月場所 |
最終階級 |
幕内格行司 |
幕内格昇進 |
2014年11月場所 |
主な活動 |
著書『大相撲と鉄道』、辞典監修など |
木村銀治郎さんは、1990年に15歳でこの世界に入り、35年間も行司一筋で歩んできました。
土俵の外では、「鉄道オタク」として本を出版したり、相撲の魅力を伝える活動に熱心に取り組んだり、その親しみやすい人柄で、多くのファンに愛される存在だったんです。
そんな姿と今回の事件とのギャップが、多くの人に大きな衝撃を与えています。
私生活の謎:木村銀治郎は結婚していたのか?
この衝撃的な事件を受けて、「木村銀治郎さんは結婚していたの?」と、プライベートが気になる人も多いようです。
ですが、公表されているプロフィールや、これまでの報道を探しても、木村銀治郎さんの奥さんや子供に関する情報は見当たりませんでした。
独身だったのか、それとも家族がいても公にしていなかったのか、そのあたりははっきりしません。
ただ、今回の事件に関する報道で、家族の存在が語られることはありませんでした。
もし、木村銀治郎さんが誰にも相談できずに一人で悩みを抱えていたとしたら、その孤独が、ギャンブルへの依存につながってしまった可能性も、ゼロではないのかもしれませんね。
木村銀治郎の競艇問題と懲戒解雇が及ぼす影響

画像はイメージです。
木村銀治郎さんの競艇をめぐる問題と懲戒解雇。
この出来事は、木村銀治郎さん個人の人生を壊しただけではありませんでした。
所属していた部屋や、日本相撲協会全体にも、大きな影を落としています。
失われたお給料や退職金の問題。
師匠の責任や、協会のこれからの対策など、まだまだ課題は山積みです。
給料と年収はいくらだったのか?失われた収入
幕内格行司という地位にいれば、当然、安定したお給料をもらっていたはずです。
具体的な金額は公表されていませんが、月給のほかに、いろいろな手当も付きます。
おそらく、年収は数百万円にはなっていたと考えられます。
ですが、今回の懲戒解雇によって、その収入源は完全に断たれてしまいました。
50歳という年齢で、職も社会的信用も、一瞬にして失ってしまったのです。
その代償は、お金の問題だけでは済まされない、計り知れないほど大きなものでしょう。
懲戒解雇で退職金は出るのか?35年分の功労の行方
そして、多くの人がいちばん気にしているのが、「退職金は出るのか?」という問題ですよね。
これについて、日本相撲協会は「全額不支給」という、考えうる限りで最も厳しい決定を下しました。
つまり、退職金は1円も支払われない、ということです。
これは、木村銀治郎さんの裏切り行為が、35年間まじめに働いてきた功績をすべて吹き飛ばしてしまうほど、ひどいものだったと判断されたからです。
普通に定年まで勤め上げていれば、かなりの額になったはずの退職金。
それがゼロになったという事実は、懲戒解雇という処分の厳しさを、はっきりと示しています。
所属していた芝田山部屋の今後は?師匠の監督責任
木村銀治郎さんが最後に所属していた、芝田山部屋の今後も気になるところです。
相撲部屋では、所属している力士や行司が問題を起こすと、師匠の監督責任が問われるのが普通です。
ですが、今回の処分発表では、師匠である芝田山親方(元大関・大乃国さん)へのおとがめはありませんでした。
協会が、これは木村銀治郎さん個人の問題だと判断した可能性が高いようです。
しかし、部屋のイメージが悪くなってしまうことは避けられません。
師匠としても、とてもつらい立場に置かれていることは、簡単に想像できますよね。
相撲協会の再発防止策と信頼回復への道
日本相撲協会も、今回の事件を重く見ています。
すぐに、力士会のお金の管理体制を、根本から見直すという再発防止策を発表しました。
これまでは担当者一人に任せきりだった部分を、これからは力士の中から複数人で担当するように変えるそうです。
お金の出し入れも、必ず銀行口座を通して行うように徹底するとのこと。
さらに、年に一度、総会で会計報告をすることを義務づけました。
このように、組織の不備をきちんと認めて、具体的な改善策を示すことで、失われた信頼を取り戻そうと努力しています。
しかし、この新しいルールが、ただのポーズで終わらないように、きちんと機能しているか、今後も継続して見守っていく必要があります。
木村銀治郎の競艇と懲戒解雇問題のまとめ
木村銀治郎さんの競艇への依存と、それに伴う懲戒解雇問題。
この事件は、35年という長いキャリアを真面目に築き上げてきた、一人の行司さんの人生を、一夜にして崩壊させてしまいました。
今回の処分内容を、あらためて表で確認しておきましょう。
項目 |
内容 |
---|---|
処分対象者 |
木村銀治郎 (幕内格行司) |
処分内容 |
懲戒解雇 |
退職金の扱い |
全額不支給 |
発表日 |
2025年6月9日 |
処分決定日 |
2025年6月2日 (理事会決議) |
主な理由 |
力士会の現金等着服 (約2519万円) 及び競艇への費消 |
2519万円という、あまりにも大きな金額の使い込み。
そのすべてをギャンブルに費やしたという事実は、木村銀治郎さんの功績をすべて無に帰しました。
そして、お給料も退職金も、すべてを失うという最も重い結果を招いたのです。
この事件は、日本相撲協会に、お金の管理体制の甘さという組織の問題を突きつけました。
同時に、一度築いた信頼は、たった一つの過ちで、いかに簡単にもろく崩れ去ってしまうかという厳しい現実も見せつけました。
この痛ましい出来事は、相撲界の歴史に、長く記憶されることになるでしょう。
この記事のポイント
参考文献:公益財団法人日本相撲協会 公式サイト スポーツ庁